ロヒンギャの方々と交流してみた結果、子供たちは東京都内を含む各地域への観光への希望はあるものの、その実現が様々な事情で困難であると分かりました。そこでまずは私たちが住んでいる東京や横浜付近を案内して実際に見てもらうという社会科見学を、彼らの事情に丁寧に寄り添いながら私たちが企画して運営します。これまでは無縁であった世界を見てもらうことで子供たちの視野を広げるお手伝いをしたいと考えています。それが多方面で子供達の学習をサポートすることになると考えています。
②学習支援・受験勉強支援
日本に住んでいる以上、年齢に応じた知識・学力レベルを有していることが求められますが、御両親が日本語の母語話者ではないため語彙や日本の関する諸知識等に差がある日本人家庭の子供に比して全体的に学力が劣ってしまっている傾向が見られます。また家庭に金銭的な余裕が十分にあるとは言えないため、学習塾に通うことも容易ではありません。
そこで人生の過程で受験を経験してきた私たちが、無償で自分たちの経験や学習ノウハウを含めてお伝えすることで子供たちの叶えたい夢に近付けるお手伝いをします。
具体的にはメンター制を導入して、毎週1時間程度の時間で担当の子供とオンラインで学習計画を立てたり宿題の確認をした上で学習内容を含む日常等の相談を個別で受けるということを行なっています。
さらに月に1回から2回の頻度で実際に私たちが群馬県館林市というロヒンギャの方が多く住んでいらっしゃる地域に赴いて、集団授業の形で後手後手になりがちな個別指導を補えるように学校の授業のような形式で日頃の学習をリードすることを意識して行っています。2023年3月現在は主に高校受験をする方を対象に行っていますが、今後はオンラインを用いながら対象の学年や授業の頻度を増やしていこうと思っています。
③保護者の方との交流
どんな人間関係も信頼が出来上がっていないと持続が難しいと考えています。そこで子供たちのみならず保護者の方にも私たちの思いや活動に御理解頂くことと、私たち自身のロヒンギャの方に対する知識がまだまだ不足しているため、何に苦しみ、どんな支援をしてほしくて、どんな情報が不足していて、普段どのような生活をしていて、保護者がどのような思いで私たちに子供を託して下さっているのか等を知るために、館林市訪問の際に保護者の方とも丁寧にお話をしております。近頃少しずつ信頼関係の構築が実感でき始めてきているので、一括りに「難民」や「外国人」として遠い存在のまま放置するのではなく、少しでも多く御家庭の事情や課題に寄り添えるように今後もこの活動を継続して参ります。
また今後は子供の教育に対する意義を幅広く保護者の方に伝えられるような活動も展開したいと考えています。
④キッチンカーの出店
ロヒンギャの方々と交流する中で頂いたロヒンギャのご飯。とっても美味しいのにどこか日本人にとって縁遠い存在のように感じます。例えばビリヤニという料理をご存知でしょうか。多くの方にとって身近ではないと思いますが、私たちが普段食べている料理とは全く違ったとても美味しい料理です。このような素晴らしい食文化を通じてより多くの人々にロヒンギャについて知ってもらうことを目的とし、ゆくゆくはロヒンギャの方々の経済支援に寄与できればと考えています。まだ企画段階ではありますが、ロヒンギャの方が企画しているキッチンカーのお手伝いやSNSを用いた広報活動、三田祭での出店などを直近の目標にして少しずつ実現していこうと思います。