アパレルの新しい形を模索しながら、3年間にわたって「enegy closet」の運営を行ってきた三和さん。彼女の考えるアパレルにおける”ビジネス”の形とはどんなものなのか。
【起業について】
――三和さんの事業である、energy closetについて詳しく教えていただけますか。
「2019年から2年間続けていて、今年の10月で3周年になりました」
※詳しくはこちらのURLからどうぞ
――起業される際の葛藤や不安などはありましたか。
「私は起業する上で、先を見据えた不安や葛藤というよりはこれからの成功するイメージを持つようにしていました」
「ビジネスを立ち上げる中で、心配や不安を持って取り組むよりも未来を見据えて考えるほうが自分らしいですし、それが性格的にも合っていたからです」
【ビジネスについて】
三和さんが考える成功するイメージとは具体的にどのようなものだったのだろうか。
「アパレル業界で考えると、お客さんは服を買うためにお店に来てくれますよね。そこで私がイメージするのは、お客さんが自分のお店に集まってくる場面です」
――お客さんが自分のお店に集まってくる場面をイメージですか?
「そうですね。最初にイメージをする段階でも、それを実現させるという目標があれば、さらに仕事に集中することができます。また、私のビジネス(energy closet)は、社会貢献や問題解決という認識で捉えられがちですが、私にとっては『やりたいからやっている』という気持ちの方が強いです。なので、来てくれるお客さんが純粋に欲しい服を買うことができる場所を意識しています。これも、成功するイメージを持つ上で必要不可欠ですね」
ビジネスを立ち上げる中で、『自分のお店に人が集まっている場面』をイメージしていると語る三和さん。彼女は、energy closetの活動を環境問題の解決ではなく、”ビジネス”として捉えている。だからこそ、お客さんに服を届けたいという純粋な気持ちが、彼女の活動の原動力となっているのだ。
――ビジネスとして回す、というところを意識されているんですね。アパレルのお仕事をしていく上で、他にも意識されていることはありますか。
「私は、接客を一人間としてやっているというより、ビジネスを立ち上げ、運営していく立場だと思っているので、接客で一番になりたいとは思っていないです」
――なるほど、運営されている立場から客観的にお店を考えられているんですね。
「はい!ですが、お客さんが選んでくれたその商品自体を良いと思ってもらえる様な接客を心がけています。もちろん、人との繋がりやコミュニケーションを取ることも大事なのですが、そこだけでコミュニティを作ってしまうと身内感のあるものになってしまいます。そのため、一つの商品の良さを感じてもらい、お金を払いたいと思ってもらえるかどうか、というところを大事にしています」
「商品自体の良さを感じて欲しい」
彼女の活動の根底にある想いはこれなのかもしれない。服を愛し、どんな服も無駄にしたくない、という想いから彼女が生み出したのが「CLOSETtoCLOSET」の活動である。「服を売らない」というコンセプトがエシカルファッションの考え方に繋がり、それが環境問題解決と深い関わりを持っているのだ。
第三章では、三和さんの考えるエシカルファッションについて述べる。「エシカルファッションだからではなく、良いものだから買って欲しい」と語る彼女は、今後アパレル業界にどのようなことを期待するのか。目指す未来のビジョンを彼女の想いと共にみていきたい。
【インタビュイー:三和沙友里さん】
要らなくなった服を新たな服と交換する、服を売らないアパレルショップであるenergy closetを経営する。毎月第一日曜日に都内でCLOSETtoCLOSETというポップアップストアを開催している。
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