聞き手:富田理子
記事編集:成田朋香、富田理子、木村朋花
今回インタビューを受けていただいたのは、前回に引き続き、大手人材企業で事業開発を行う傍ら、NPO法人コンフロントワールド代表理事として活躍されている荒井昭則さん。学生時代に、ボランティアをしつつ世界一周の夢を叶え、現在は副業として国際協力に取り組むという新しい形で社会の問題にアプローチしている。実際の活動としては、ウガンダにて難民支援やトイレ・貯水タンクの建設に携わり、ペルーの刑務所発ブランドの委託販売なども行っている。
荒井さんへのインタビューに関するこれまでの記事(リンクは下記)では、学生へのメッセージや、自分に正直でいる事の大切さについてお話しいただいた。本章では様々な経験をすること、そして継続の大切さについて考えを深めてほしい。
■『自分の感覚を大切に』
――出会いを増やすためや人脈を広げるために具体的にどのようなことを行なっていましたか。
「正直、出会いや人脈を広げるために特別なことはしてませんね。ただ、出会いにもいろいろあって、同じ出会いでも「あ!これだ!」ってピンと来る時と「つまらないな」と思う時の振り幅は結構大きいと思っています」
全ての出会いが運命的とは限らない。しかし人との出会いがなければ、ピンとくる出会いに恵まれることはできないだろう。新しい一歩を踏み出すためには、まず色々な人と出会うことが最初のステップとなり、それが自分の感覚を大切にする事と繋がってくるのだろう。
■『国際協力とサラリーマン二足のわらじ』
――国際協力一本で活動するという選択肢があった中で、副業として国際協力を行われている理由を教えていただいてもよろしいですか。
「国際協力一本の人は、Excelを使えない人もいたりとか領収書を手書きで書くような団体もあったりするんですよ。それに対して僕は民間企業で身に付けたITスキルを活かして処理することができるんですね」
「実際、経営という意味では、民間企業の経営者の方が優れていたりします。民間企業での経験を国際協力に生かし、どの様にコンフロントワールドを続けていくかを考えていますね」
■『まずは続けてみよう』
――会社の運営において、現地の人にとって必要な資金の提供を永久に持続させるために意識していることなどはありますか?
「永久持続なんて難しすぎるので考えない方がいいし、むしろ永久持続なんて無理だと思っています。これは普通のNPOに限ったことではなく、世界の企業でも同じことが言えるでしょう。なので僕は、コンフロントワールドを1日でも長く存在させようということを意識しています」
――確かに、未来を見据えて先を考え過ぎてしまうと、今できることもできなくなってしまいそうですよね。
「本当にそう思います。実際10年続けることも、ものすごく大変なんですよ。そもそも団体を続けるってこと自体が難しいということを心得て取り組んでいますね」
――学生に向けてメッセージはありますか
「続けることっていうのは大事ですっていう話ですね。やっぱりこうやって団体を3年でも続けていると色々成長はしますよ。後は、私に声かけてくれて副業でNPO作ったという後輩みたいな人も出てきたりとか、憧れだった人に会えたり、その人たちに近づけたり。何事も少しずつでも続けたらいいんじゃないかなと思います」

「継続は力なり」という言葉もあるように、何事もまずは続けてみようという精神で国際協力に取組んできた荒井さん。しかし荒井さんは継続の難しさについても理解し、永久持続は無理だとということも指摘している。継続すること自体は素晴らしい事だが、無理に気張らず、たくさんの出会いから様々なことに挑戦し、一日一日を大切に生きることが一番なのかもしれない。
【インタビュイー:荒井昭則さん】
大手人材企業で事業開発を行う傍ら、NPO法人コンフロントワールド代表理事として活躍中。ウガンダにて難民支援やトイレ・貯水タンクの建設に携わり、ペルーの刑務所発ブランドの委託販売なども行っている。
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