サステナビリティコンサルタントとして「株式会社 砺 -ARATO- 」で活躍されている枝七洋さん。サステナビリティやSDGsはそれを理解することから始まるが、その一歩がなかなか難しい。より多くの人に知ってもらい実践してもらうために、彼女は何を考えながら課題と向き合っているのか。第二章では、そんな彼女の現在のお仕事や想いを伺った。
ーーサステナビリティコンサルタントというお仕事について簡単にご紹介していただきたいです。
「ターゲットとしては中小企業が多く、その中で『何から始めて、何をすればいいかわからない』『そもそもサステナビリティやSDGsについてよくわかっていないので知りたい』という企業さんに向けて、社内セミナーを開催しています。今行っている事業や活動の中でSDGsやサステナビリティに紐付けられるものを考え、持続可能な企業を目指す方法をお話します。」
「身近に感じてもらうために、まず同じような業種の海外の事例を活動と成果と共に紹介しています。その上で、会社での現在の取り組みを踏まえ、その会社に合うように海外事例に自分のアイデアを含めて少し変化させながら作り上げ、具体的な取り組みを提案しています。」
ーー「砺ーARATOー」では、ワールドサステナビリティニュースというコンテンツを提供していらっしゃいますが、そのターゲットも中小企業なのでしょうか。
「元々のコンセプトとしては、SDGsに興味がある人や、何かしたいけれど事例が見つけにくい、海外の企業がどういうことをしているのかわからないという人たちが、一度に情報を得られる場を設けたいという考えから始まりました。海外のニュースサイトから、世界のサステナビリティへの動きや企業の取り組みを集めて解説しています。」
「会社の規模は問わず、企業の中でSDGsやサスナビリティを推進する立場の方々と一緒に、また、その推進のメンバーの1人となって支援していき、お客様がやりたいことに応じて動いていくというスタイルです。しかし、取り組みが固まっていない、お金をかけてSDGsを推進していくところまで到達していないという企業も多いので、そういった企業には、手の届きやすい価格で体験してもらうという要素も含めて展開しています。」
ーーサステナビリティコンサルタントとしてお仕事をする中で、やりがいや楽しさを感じるのはどんな時でしょうか。
「SDGsに対してあまり良いイメージを持たれていない方や必要性を感じていない方に向けて、サステナビリティの意味や影響を説明し納得していただけた時に、 話してよかったなと思います。そして、その方の考えを変えられた時や、取り組みの必要さ・大切さに気づいてもらえた時に、動いていてよかったなと思います。」
ーー海外への渡航経験がおありですが、なぜ日本でお仕事をされようと思ったのでしょうか。
「ヨーロッパではサステナビリティはある程度当たり前になってきており、サステナビリティコンサルタントというお仕事は普通にあります。一方日本では、SDGsという言葉は浸透してきているものの、サステナビリティという概念や必要性を理解していない人が多い。生活の中でも無駄がとても多いと感じ、変化が必要なのは日本だと思ったんです。日本にはそのサステナビリティを専門的に学んできた人も少ないですし、そこで自分が何かを始めたい、広められることを探したいと思い、日本を選びました。」
自分にしかできないこと、自分だからこそできることをしたいという思いを胸に、人々の意識に変化をもたらしたいという枝さん。世界を見てきた彼女が日本の未来を作っていこうと奮闘するその姿に心を動かされた者は少なくないだろう。彼女は何を考えながら持続可能な社会を目指し”冒険”を続けるのか。第3章では、そんな枝さんの「冒険」を覗く。
株式会社 砺 枝七洋さん
幼少期より、アフリカのマラウィをはじめラオスやタイ、マダガスカル、ケニアなど、様々な国への渡航経験を持つ。日本の大学を卒業後、オランダのマーストリヒト大学院に進学し、サステナビリティに関する学びを深めた。現在は、企業へSDGsの導入をサポートするコンサルティングを行っている株式会社 砺で、サステナビリティコンサルタントとして活躍している。
株式会社砺HP:https://www.arato-inc.co.jp
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