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【HearToプロジェクト】#23 第1章 アフリカ農業を支援する|国際協力サロン代表の田才諒也さん

更新日:2022年12月23日

今回インタビューさせていただいたのは、国際協力に関心のある人や実際に携わっている人が集まり勉強会やワークショップを行うコミュニティ「国際協力サロン」の代表である田才諒哉さん。学生時代に協力隊の短期派遣でザンビアへ行ったことをきっかけに、大学を一年間休学し、パラグアイにて特例認定NPO 法人「e-Education」でのインターンを経験。卒業後は民間企業に就職し、国際協力分野のクラウドファンディングのプロジェクトを担当したものの、現場での活動を望み転職した。その後、スーダンに駐在し、JICAのプロジェクトや国連 WFPと関わってきた後、大学院で開発学の修士号を取得し、国連で働く。現在は、国際NGO「ササカワ・アフリカ財団」でアフリカの農業支援に関わり、プロジェクトマネジメントやファンドレイジングなどを行っている。


国際協力という軸を持ちながらも、一つの場所にとどまらず多方面から活躍されてきた田才さん。さまざまな視点から国際協力に携わってきた彼が、現在の国際協力について何を思い、これからをどう考えるのか。そこには、国や言葉の垣根を越えた、彼なりの人と人との繋がり方があった。第一部では、そんな人との繋がり方に注目しながら、田才さんのアフリカでのご経験を伺った。

現地での活動から

様々な経歴を持ちながらも、再度現場での活動を選択した田才さん。そこでは何を見て何を感じてきたのだろうか。田才さんのアフリカでのお話を伺った。


ーー実際に現地に赴いて活動されてきて、大変だったことや印象に残ったことなどがあれば教えていただきたいです。


「駐在後、お世話になった現地のスタッフたちとお別れする時に、彼らと泣きながら抱擁して『またね』と言うような瞬間が今でもずっと記憶に残ってます。短い期間だったけれど、自分がその現場で何かしら残すことができたのかなと。」


「でもどちらかというと、そういう良かった印象やイベントごとよりも、結構とんでもないことばかりが思い起こされて、正直いい思い出ばかりじゃないかなって思います。」


ーー今まで訪れたアフリカの国の中で一番カルチャーショックを受けた国はありますか。


「スーダンは結構衝撃的でした。初めていわゆるムスリムの方が多い国に住むことになって、お祈りを毎日5回だとか、お酒を飲まないだとか、ラマダンとかを経験したんですけど。教科書で読んだことはあっても、実際にその場で一緒に生活すると、なかなかラマダンってしんどそうだなとかって。」


「でもいろんな国に行って、結局どこの国の人がこうだとか、どこの民族の人がこうだってくくりにできないと感じました。むしろ最近、日本に帰ってきた時の方がカルチャーショックを受けたりすることの方が多いです。どんどん時を経て、一人一人の人と向き合うような生き方になって、特定のカルチャーに対してどう思うとかはなくなってきた気がします。」


ーー現在はアフリカで農業支援をなさっていますが、現地で言葉の壁はありますか。


「めちゃくちゃあります。特に現地語はほぼ分からず、駐在したとしても、協力隊みたく田舎に住んだりとかしない限り、どうしても身につかなくて。」


「自分は日本生まれ日本育ちで、英語・スペイン語・フランス語にしろ全然得意ではないので。もちろん成長はしているものの、今でも苦労するところはあるし、言葉が理由でミスコミュニケーションが起こることも多々あるかなと思います。」


ーー言葉が通じない中でも、コミュニケーションの上で意識していることは何でしょうか。


「自分は絶対に表に立たず、裏方に徹するということを意識しているので、聞きたいことはスタッフに確認してもらい、自分がダイレクトにコミュニケーションを取るということはしないようにしています。」


「最近行ったマリだと、マリの発展をマリの人たちが支えていける形がいいなと思っていて。そのさらに後ろで、日本や他の国々が支えることが理想なので、自分たちが主役になるような感じにはならないように、できるだけ裏方に徹してという感じです。」


人との繋がり

ーー今まで行われてきたさまざまな活動は、人とのつながりがきっかけだったと思うのですが、人間関係・人との繋がりで大切にされていることはございますか?


「意識してる訳ではないですが、どんな人でもフラットに見ているかなと思います。全てを最初から排除するのではなく、その背景まで考えを巡らせる。自分と異なる意見を持っている人でも、なぜその人がそう考えるのかなと思いを巡らせたり、自分と違う行動をとる人がいても、なぜこういう行動を取るのかなって考えたりします。」


自分なりの方法で、現地の人々と関わり、向き合ってきた田才さん。その活動の始まりから現在まで、「人」の存在が欠かせなかった。地域の発展を現地の人たちが支えていけるように、支える。裏方に徹するために、現地の方とは直接コミュニケーションを取らないようにする。協力隊をはじめとして、民間企業、国連、大学院、NGOでの経験を経た彼だからこそ、新たな国際協力のあり方を発見し作っていけるのだろう。


第二部では、活動している最中にも自分のやりたいことをアップデートし新たな環境に飛び込んできた田才さんの凄まじい行動力とその原動力について迫る。新たな一歩を踏み出したくてもなかなか勇気がでない人へ、ここからそのきっかけを掴み挑戦してほしい。

 

【インタビュイー:田才諒哉さん】

1992年生まれ。青年海外協力隊、民間企業、国連など様々な舞台で国際協力に携わる。2018年には国際協力に関心のある人々が繋がるコミュニティ、国際協力サロンを創設。現在はNGOササカワ・アフリカ財団でアフリカの農業支援に関わっている。



国際協力サロンHP:https://kk-salon.com

ササカワ・アフリカ財団HP:https://www.saa-safe.org/jpn/

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