昨年の11月から12月にかけて、東京都内にあるメンバー母校の小学校にて、全4回の出張授業を実施させていただきました。
これまで福島・大熊町で行ってきた活動や経験をいかして、2011年当時生まれていなかった子供たちにも、震災のこと、原発事故のこと、福島のことをもっと知ってもらいたいという思いで企画した今回の授業。多くの方のご協力によって、無事成功させることができました。
■初回授業:震災のこと、事故のこと知ってもらう
全4回実施した授業の一回目では、団体メンバーが、大熊町や震災、原発についての基本的な知識、情報などを講義形式で子供たちに伝えました。
今回授業の対象としたのは震災当時生まれていない小学三年生だったため、なかなか興味を持ってくれないのではという不安もありましたが、実際に授業をやってみると次々と質問を投げかけながら、熱心に話を聞いてくれる生徒たちの姿があり、一安心でした。
■2.3回目の授業:大熊町出身の方による講話
2回目と3回目の授業では、大熊町出身の方に会場の小学校まで来ていただき、小学生に向けて震災当時の様子やその後の避難生活などについて、お話をしていただきました。
2回目の授業、3回目の授業でそれぞれお一人ずつお話をいただきましたが、授業後に生徒たちに提出してもらった感想を見ると、このお話が生徒たちにはかなり印象に残ったようでした。津波や、原発事故の被害の大きさを感じたという生徒からの声もあり、大熊のお二人のお話を通じて、震災の記憶と教訓とを次世代に伝えることができたような、そんな手応を感じられました。
■最終授業:大学院生にもご協力いただき防災の授業を
最終回となった4回目の授業では、防災について研究している、SFCの大木聖子研究室の大学院生にご協力いただき、防災に関する授業を行いました。
この授業では、実際に子供たちに体を動かしてもらいながら、地震等の災害が起こったときの行動を確認するワークショップも行いました。これまでの3回の授業で子供たちに伝えてきた先の震災の被害と、教訓とを踏まえ、次なる災害に備えるという形で全4回の授業を結びとしました。
<授業内で実施したワークショップの様子>
■授業を終えて / 今後の展開
対象が小学三年生ということもあり、しっかり授業を聞いてもらえるだろうか、ちゃんと理解してもらえるだろうか、という不安もあった今回の取り組みですが、実際に授業をやってみると生徒からの反応もよく、いただいた感想も想像以上にポジティブなものが多いという嬉しい結果になりました。
震災から10年以上が経ち、震災を経験していない世代、知らない世代も増えていく中で、先の震災の記憶と教訓を次世代に伝えていくことは非常に重要なことです。また、現在も進められている廃炉作業や、中間貯蔵事業は、福島県外においてこそさらなる認知度向上が求められるものであります。小中学校での出張授業を通じて、震災のこと、原発事故のこと、福島のことを、次世代の子供たちに、そして自分たちの身近に人に知ってもらい、一緒に考えてもらえるように、今後も活動をつづけていきたいと思います。
きっとそれは、東京を拠点に、福島・大熊町と関わる活動をしてきた私たちだからこそできることであり、それ故に私たちがやらなければいけないことであるのだろうと思います。
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お問い合わせ等は下記の連絡先までお願いいたします。
団体代表:阿部翔太郎
電話:090-7819-6933
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