こんにちは。あじさいプロジェクトです。
東日本大震災から11年が経ち、
東京に拠点を置いて活動する私たちの生活圏内では、震災の影はほとんど見えなくなりました。
震災当時小学生だった私達は、震災のことをほとんど意識せずに生活することができます。
でも、例えば福島県・大熊町には、未だ原発事故の影響で避難指示が出ている地域があり、
原発事故に伴う除染作業によって発生した除去土壌の貯蔵のため、慣れ親しんだ土地を離れることを余儀なくされた方がいます。
あの日まで私たちと同じように小学校に通っていたのに、事故以来全く異なる環境で生活をされている方もいます。
一方で、現在の大熊は、極端に単純化された「被災地」でもありません。
決して「人が住めない町」などではなく、2019年の一部での避難指示解除後、町には確かな人の営みが戻っています。
そして大熊町の方々も、決して一面的な「被災者」ではなく、それぞれにこの11年を過ごされてきた生活者であるはずです。
東京にある私たちの大学と大熊町との間には250kmの距離があり、大熊のことを意識せずに、知らずに生活できること、
生活していることはある種自然なことなのかもしれません。
しかし、大熊にある原発で作られていた電気は250kmの距離を超えて、ここ東京に送られていました。
次なる大地震は250kmの距離を超えて、私達の足元で起きるかもしれません。
あの日大熊町の方々が経験されたことと、今も大熊町の方々が向き合っていること、
そして単純化されたイメージではないリアルな町の様子を、東京にいる私たちこそ見つめていくべきではないでしょうか。
そんな思いから、物理的な距離を超えて、私たちが、私たちの身の回りにいる多くの人々が、震災と原発事故、
現在進行系の除去土壌の処分などの問題を、今一度「自分ごと」として捉え直し、共に考えていくために、
私たち学生にできることを積み重ねていきます。